日本人のウエディングはドレス

日本では結婚式にウエディングドレスを着るのは当たり前の風習になりましたが、よく考えてみると成人式での正装は着物です。いつから日本人はウエディングドレスを着るようになったのでしょうか。
その歴史は案外新しく、西洋でキリスト教が広まったローマ帝国時代、結婚式が教会で行われるようになった頃から始まったスタイルです。ただ元々白ではなく豪華な生地や刺繍をふんだんに施した富を誇示することを目的につくられたものでした。白の流行は19世紀イギリスのヴィクトリア女王が結婚式で着用したことから庶民にも広がったとされています。
日本では1873年、中国人と結婚した女性が着用したのが最初と言われていますが、太平洋戦争後の1960年にはまだドレスでの挙式が3%程であったといわれています。その後テレビやメディアでの西洋の文化への憧れと、元々花嫁衣裳は白無垢であった事との共通点があわさって、急速に人気があがっていきました。サテンやオーガンジー、レースと花がつくりあげる繊細な輝きは、女性なら一度は着てみたくなる美しさです。教会式で新婦の顔のヴェールを上げて新郎がキスする姿は映画のワンシーンのようでドラマティックにうつります。